東新橋一丁目計画の新設工事

一人ひとりの社員が参加したプロジェクトを追体験する「プロジェクトストーリー」。
今回は、オフィスビルの新築工事を行った東新橋一丁目計画について紹介する。
同プロジェクトに参加したのは、施工管理のY.O.とY.T.、配管工事のS.K.だ。ベテランの施工管理と若手施工管理、配管工事の番頭による約半年にわたるプロジェクト。彼らのストーリーを通して、當木工事の施工管理の仕事の魅力が存分に感じられるはずだ。
Project Member
施工管理
Y.O.さん

配管工事
S.K.さん

施工管理
Y.T.さん

EPISODE 01 裏テーマにあった「若手の成長」
東新橋一丁目計画において、當木工事ではATRIUM東新橋という12階建てのオフィスビルの空調設備と衛生設備の工事を手掛けた。2020年に入社した施工管理のY.T.は、同時公開しているTODA BUILDINGのプロジェクトストーリーに登場する笹本・西と同様に、初めての新築工事への不安を抱えていた。
「最初のほうは現場の進め方がわからず、自分がうまくできるようになるかが心配でした」
そんなY.T.を支えたのが、現場代理人のY.O.と配管工事の番頭・S.K.だ。Y.O.は、工事が始まったばかりの頃のことを次のように振り返る。
「Y.T.が現場の責任に耐え、しっかりと成長してくれるかがこのプロジェクトの裏テーマだったと考えています。新築現場での職人さんとの交渉などをしたことがなかったY.T.が、だんだんと物怖じしないようになって、最終的に所長とも直接やり取りする姿を見た時には感慨深いものがありました。やっぱり、会社のことを考えると若手が育っていかないといけませんから。規模的には、大き過ぎず小さ過ぎずで、ちょうどいいスケール感だったと思っています」
「Y.T.は所長から可愛がられていたよね。飲みニケーションもよくしていたし」と話すのはS.K.。所長から積極的にY.T.に話し掛け、雑談に始まり、徐々に仕事の交渉などの話に発展していったという。
「お陰で新築工事の流れが理解できましたし、初めて工事の工程を考え、つくることもできました。今携わっている別の現場でも工程をつくっているので、それは東新橋一丁目計画での経験があってこそ。建築・電気周りの方たちとも話す機会があったのは良かったです」
施工管理の仕事は、自己主張が大切だ。建築会社の立場もあれば、電気を担当する会社の立場もある。工事のスケジュールの関係などでバッティングが起きそうになった時は、どこかで折り合いをつけなければならない。主張をせずに受け身になっていては、損をするだけだからだ。
「そういう意味ではね、Y.T.はこのプロジェクトを通じて成長したなと改めて思うんです。検査対応などは、もうバッチリなんじゃないかな。本当は、もう少し図面のことも教えてあげたかったんだけど、いろいろな都合があって自分でやってしまったところがある。反省点があるとすれば、そこですね」とY.O.。
S.K.も「もうね、最初と最後では顔つきが違いますから。見ていてわかります」と微笑む。2人の先輩の言葉を受けて、Y.T.はどこか恥ずかしそうに恐縮するばかりだ。

EPISODE 02 自由にやらせてくれるのは信頼の証
プロジェクトが始まった当初は、誰もが不安に似た心のピリつきを覚える。S.K.もその一人だ。
「人工の調整がね、難しいんです。ああ、人工っていうのは、現場に入る職人さんの数のことです。請け負った金額とスケジュールがあるなかで、何人にお願いすれば利益が出てスケジュールも遅れることなく進めることができるかを考えなくちゃいけない。番頭っていうのは、その取りまとめ役なんで。何度現場を経験しても、こればかりは頭を悩ませます。もっと規模の大きい現場だったら、少し多めにお願いしても、どこかしらに仕事があるんですけどね。今回は見極めが大変でした」
現場代理人のY.O.は施工図の作成が大変だったと話す。
「より良いものをつくろうとすると、どうしてもクライアントとの間で修正が発生するんです。今回は建築に伴うデザインの変更があり、それに付随する形で設備の変更が起きた印象です。でも、いいオフィスビルになって良かったです」
プロジェクトの山場は竣工間際だった。排水系統の外溝に問題が発生したのだ。
「既存の建物との兼ね合いですね。東京では、よくあるんです。こういった緊急対応は、今までの経験則が物を言います。結局は、設計図通りでは収まらなかったので、集合管を取り入れるなどの変更をして、事なきを得ました」
Y.O.は、當木工事の魅力を「自由にやらせてくれること」だと話す。
「もう年齢も年齢なんでね。自由にやらせてくれるっていうことは、逆に言えば信頼してもらえているってことなのかなと感じられるじゃないですか」

EPISODE 03 「技術を売る」会社の矜持
空調設備と衛生設備は、オフィスビルに欠かせないものだ。3人は、自分たちの仕事について、どのように考えているのだろうか。
Y.T.は「外出した時など、客観的に建物のことを見た時に感じるのは、社会的に空調設備や衛生設備は欠かせないものだということです。現代らしい暮らしに必要不可欠なものを取り扱っていると考えると、この仕事をしていて良かったなと感じます」と誇りを感じているようだ。
S.K.はそれを聞いて、全部言われちゃったよと言わんばかりに「水は人間の暮らしに欠かせないからね」とポツリ。Y.O.は「技術力を自分なりに身に付けて、それを工事に生かすことが大切」と話した。「技術を売る」を理念にしている當木工事の社員らしい答えだ。
今回のプロジェクトを振り返ると、S.K.もY.O.も「意見が言いやすかった」と口を揃えた。と言うのも、衛生設備は當木工事内の社内発注。同じ会社の人間だからこそ、本音が言いやすい。これもまた、施工管理と職人の両輪で会社を成長させてきた當木工事ならではの特長だ。
小工事から大工事まで手掛けてきた當木工事。コーポレートサイトの工事経歴には、そうそうたる名前が並ぶ。今回のプロジェクトで大きく成長したY.T.も、いずれは誰もが知るような大規模なビルや商業施設を手掛けたいと鼻息を荒くする。
「僕はもともと、友人がエアコンの修理の仕事をしていたのを手伝ったのをきっかけに、この業界に入ったんです。会社から大きなプロジェクトを任された時、自分の力をしっかりと発揮できるように知見を蓄えていきたいです。今回のプロジェクトは初めての新築工事でわからないこともたくさんありましたが、投げ出さずにやり切れて良かったです。最後までやらないと、カッコ悪いじゃないですか。所長がよく飲みに連れて行ってくれたのも、いい息抜きになりました」
Y.O.は、Y.T.の成長を見届けたほかにも、責任者としての荷が降りたと感じる出来事があったと話す。
「このビルは、クライアントが戸田建設なんです。無事に竣工して、最後の打ち上げの時に、戸田建設の方から『次もまた、戸田建設の仕事をしてください』と言ってもらえました。一番ありがたい言葉ですね。沁みました」
當木工事の現場には、「技術を売る」会社としての矜持が漂う。だからこそいただけた、最高の褒め言葉。常にプロフェッショナルであろうとする姿勢が、世代を超えて脈々と受け継がれていく。
創業60年を迎える今年、70年、80年、90年……。そして、100年を迎える時にも、きっと――。



