TODA BUILDINGの新設工事

一人ひとりの社員が参加したプロジェクトを追体験する「プロジェクトストーリー」。
今回は、戸田建設株式会社の本社オフィスを擁するTODA BUILDINGの新築工事について紹介する。
同プロジェクトに参加したのは、三席として現場に入ったR.O.と施工管理のR.S.・H.N.。當木工事では、8階から17階の空調設備工事を担当した。1年3ヶ月にわたる彼らのストーリーを通して、當木工事の施工管理の仕事の魅力が存分に感じられるはずだ。
Project Member
施工管理
R.O.さん
(先輩)

施工管理
R.S.さん

施工管理
H.N.さん

EPISODE 01 「新築は大変だぞ」に漠然とした不安
2024年の秋に竣工したTODA BUILDING。京橋の地で120年以上にわたって社業を営んできた戸田建設の本社建て替えを機に、地下3階・地上28階建て超高層複合用途ビルを建設した大規模開発だ。1~6階を芸術文化施設と商業施設で構成し、8階から12階は戸田建設の本社オフィスが入居し、13階より上はオフィスフロアとなっている。當木工事では、8階から17階の空調設備工事を担当した。
「『新築工事は大変だよ』と周囲の人から聞いていました。それまでは改修工事を中心に担当してきたので、漠然とした不安がありました」と話すのは、2020年に入社したR.S.。三席を務めたR.O.は、新築工事の難しさについて次のように語る。
「改修工事の場合は、當木工事が中心になってスケジュールを組めるんです。一方で、新築工事の場合は床や壁をつくる建設会社だけでなく、電気設備の会社も入る。関係者の数が文字通り桁違いなんです」
H.N.も、R.S.と同様に漠然とした不安を抱えていたと振り返る。
「周りから『新築は大変だぞ』と意味深な笑みを浮かべながら言われるんです。どれだけ大変なんだろうと思っていましたが、現場に入り、徐々にその意味がわかるようになりました。まず、職人さんに『このままじゃ、できないよ』と言われても、それがどうしてかがわからないんです。なぜだろうと思っている内に、知らない単語が出てきたりすると、もう頭が混乱してしまって。一つずつ着実にわからないことを覚えていった現場でした」
わかります、と同意するのはR.S.。「改修工事だと協力会社の人たちの数が把握しきれる程度なんですが、複数フロアにたくさんの業者が入るので、頭がこんがらがっちゃって。特に最初は苦労しました」と苦笑いを浮かべた。
「それでも、業者のみなさんがいい方で、非常に助けられました。まだまだ力不足の部分があったと思いますが、工事が円滑に進むように一致団結できたと思います」とR.S.。

EPISODE 02 同業者から受けた大きな刺激
H.N.とR.S.にとっては、同世代の現場監督が多く配属された現場であり、各人の働き方に刺激を受けるプロジェクトでもあった。「たとえば職人さんへの交渉の仕方一つを取っても、當木工事とは施工管理のスタイルが違うんです。とても積極的に、職人さんと話を進めていく感じなどは周りにないスタイルで参考になりました」とR.S.。
H.N.も「経験値があるからこそかもしれませんが、主張がはっきりしているんですよね。言葉の表現なども『ああ、こういう時はそういう言い方をすればいいんだ』と思わされることが何度もありました」と、自身の成長につながる現場だったことを実感している様子だ。
R.O.にとっては、新築工事が初めてとなる2人の後輩を抱える現場となった。このプロジェクトをどのように受け止めているのだろうか。
「後輩の成長を見られたことがうれしかったです。最初は受け身の姿勢だった2人も、職人さんと徐々にコミュニケーションを重ねていくことで、しっかりと対等に話ができるようになっていきました。H.N.くんみたいに、勢い余って転んでしまうことがある後輩の存在は、危なっかしくもあり、昔の自分を見ているようで可愛くもあります。自分で考えて、わからなければ周囲に相談して、その繰り返しのなかで成長していくものですから」
工事のピークは、ゴールデンウィーク。天井設備の工事を進めるとなった時に、どうしても連休中に作業をしなければならないスケジュールとなってしまった。
「みんな休みたかったと思うんですけど、嫌な顔一つせずに現場に入ってくれました。2人はもちろん、応援で入ってくれた職人さんたちもそう。スケジュールの遅れを生じさせることなく、工事を進めることができてホッとしたのを覚えています」とR.O.。取材時にそれはR.O.さんの信頼があってこそじゃないですかと記者が言うと「そんなことはないですよ」と謙遜する。このR.O.の姿勢こそが、2人の若い施工管理にとってはありがたかったという。
R.S.が「いつも穏やかなので、わからないことを聞きやすいんです。忙しくなると、人ってどうしてもカリカリしてしまうと思うんですけど。いい意味で波がないので、頼りやすかったです」と振り返れば、H.N.も「ゴールデンウィークに出勤した分は、ちゃんと別のところで休ませてくれたり。ありがたかったです」と微笑みながら話した。
頼られるばかりでは上司も大変なのではないかと聞くと、やはりR.O.は「そんなことはないですよ」と言う。「本社の人が相談に乗ってくれますから」とケロリとした様子で、このくらいの肝の座り方が、現場代理人の立場ともなると必要になってくるのかもしれない。

EPISODE 03 若き施工管理職の今後の挑戦
約1年3ヶ月にわたる工事とあって、大切なのは現場の人間関係だ。良好な関係を保つために、どんなことを大切にしていたのかを3人に聞いてみた。まずはベテランのR.O.。「はじめにあいさつ、次に雑談。最後に仕事の話。『おはよう。暑いね、ここは午前・午後どっちにやる?』といった感じです」。H.N.もやはり、あいさつを大事にしていたという。
R.S.は気遣いの人間だ。「現場は建築だったり、電気だったり、私たち空調設備以外にもさまざまな工事の道具が置かれています。明日ここで作業したいのに、そこに荷物が置いてある場合は了承を取って移動させたり、細かなことですが作業スペースを確保できるように努めていました」。
R.S.とH.N.に、このプロジェクトで一番印象に残っていることを聞くと「空調機の搬入です」と口を揃える。何千キログラムという巨大な空調機で、7人ほどで自在台車を用いて搬入する。事故が起きないように作業の手順書をつくったR.O.にとっても、印象深い出来事だったようだ。
取材の終わりに、R.S.とH.N.の2人に今後挑戦したいことを尋ねてみた。まず、R.S.から。
「私は今、作図について勉強しています。今後は施工図を自分で作成して、現場を収められるように頑張りたいです」
続いて、H.N.。
「僕はこれまで一番下の立場で現場に立ってきたので、これからは後輩に対して、今まで先輩たちから学んできたことを教えていきたいです」
戸田建設という有名企業の自社ビルとあり、高いクオリティの作業とスケジュール管理を求められた同現場。ベテランのもとで若い施工管理職の2人が大きく成長するきっかけになった。



